学生が描いた絵や書道、彫刻やオブジェ等、


沢山の作品が展示されていた。


学生が創ったものとあって、見学者は家族連れが多かった。


一人で見学に来ている人は、あたしくらいだった。


ちょっぴり、寂しさはあるけど、


個性的な、躍動感のある作品を一つ一つ見るのは楽しかった。


皆、生きてるんだなぁと思った。


沢山の絵が並ぶ中に、大きな額縁に入った油絵が目に飛び込んできた。


モデルの女性は、不思議な服を着ていて、太陽のように明るく微笑んでいた。


まるで、マリア様のようだった。




『入選』 金剛持 優貴




「入選」と書かれた赤い札が貼られていた。




「あちゃ、優秀賞には選ばれなかったか。
ふふ、やっぱり満が言った通りだ。確かに、モデルが悪いな。」



絵や表情、色彩も素人にも分かるくらい、見事だった。



けれど、モデルの着ている服が、



メイド服。



明らかに、おかしい。