「二人っきりにしてもらってもいいですか?」



血の繋がった兄弟に、こんなことを言うのは、失礼だと分かってる。



でも、もう抑えられない。



優貴さんは、黙って部屋を出て行った。



満を見つめた。



もう、満があたしに憎まれ口を叩くことも、


笑いかけてくれることも、


無理矢理キスしてくることも、



ないんだ。





満の身体もなくなって、灰になって、会えるのは、墓石の前。




満はもう、帰ってこないんだ。



あたしは、満を抱きしめて、泣き崩れた。


もう、最期なんだ。


声を押し殺さず、大声で泣いた。


心の悲鳴が、部屋中に木霊した。



苦しい。



苦しいよ。



助けて。



苦しくて、あたしも死んじゃうんだから。



ねぇ、



満。