ご主人様はイケメン三兄弟!?

ガチャリ



と音がして、振りむくと、優貴さんが立っていた。



泣きはらした目で、優貴さんを見つめる。


こんな時、満だったら、


「何て顔してんだよ。」


って笑って言うんだろうな。



「皐月ちゃん、

前に僕が言ったこと、覚えてる?幸せについて。」



「あ、はい。」


アトリエでの会話を思い出した。


「何かがなくなったとしても、皐月ちゃんが幸せなことに変わりはないんだよ。」


そんなことを言われても、満がいなくなった世界を幸せだと思えることは不可能だった。



満はすでに、あたしの全てで、世界は満中心に回っていたから。



「でも、僕も、満がいなくなったら、心から幸せだと思えるようになるまで、かなりの時間がかかるんだろうな。
いや、幸せと分かっていても、心の穴は消えないかもしれない。一生。」



どうして、優貴さんが、こんな話をするのか。



分かってしまった気がする。



満はもう、戻ってこないんだ。