このままじゃマズイ!!!と思って、


今日こそ伝えようと決心した。



決心したはいいものの、


いざとなると、今度は二人っきりになるタイミングがなくて、



あたしの気持ちは焦るばかり。


今日は朝から天気が優れなくて、まるであたしの心を表しているかのようだった。

灰色の雲り空からゴロゴロという声がした。

煮え切らないあたしに、怒っているかのようだった。


学校も終わって、



車に乗り込んで、



車の中で言おうかと思ったけど、



運転手さんがいるし、



話せなかった。



どんどん屋敷が近くなっていって、



屋敷の中に入っちゃったら、それこそ二人っきりになるタイミングなんてなくて。



気持ちだけが焦っていった。






「止めて!!!!!」




あたしは気付いたら叫んでいた。





「お、おい、どうしたんだよ。」



「運転手さん、ありがとう。ここで降ろしてください。」



満を無理矢理降ろして、道路に出た。



家までまだ距離があったけど、


これくらいあれば、充分伝えられる。


あたしは、大きく息を吸い込んで、気合を入れた。