落ちた雫の冷たさに驚いて、

優貴さんの唇が、すんでの所で止まった。


驚いてあたしの顔を見る。



涙が止まらない。


「そっか。

分かったよ。ごめんね。
でも、もうすぐ完成するから、明日もまた来てくれないかな?」


あたしは、震える肩でうなずいた。



ああ、やっと分かった。


あたし、満が好きなんだ。


もし、満から、ヨーロッパに行こうと言われていたら、どうしていただろうと考えた。



たぶん、



いや、



絶対ついて行く。



あたし、



どうして気が付かなかったんだろう。



ずっと前から、この気持ちはあったのに。


この気持ちが恋だと気付くのに、


どうしてこんなに時間がかかったんだろう。