「ごめん、ごめん。
あたし、鐘梨皐月!!

あんたのお父さんとあたしのお父さんが、家で話してるからさ。

終わるまで一緒に遊ぼうよ。」


無邪気に差し出された手を見つめ、どうするべきか考えた。


『遊ぶ』なんてことは、してはいけないことだと教わってきた。


ましてや、待っていなければならない状況で、見知らぬ子と遊ぶなんて……


けれど、大きな瞳の引力に引き寄せられるかのように、気が付いたら、自分の手を差し出していた。


手を握り、にっこりと笑う少女。


胸がドキンと脈打った。