しっかりと糊付けされた真っ白なシャツに黒い半ズボン。

ピカピカの革靴は、小さな子供の遊びたい欲求を縛り上げていた。


小学2、3年生頃の満は、大きな父親の後ろを必死に追いかけて歩いた。


高級スーツに身を固め、真夏の日差しに照らされているのに汗一つかかず、せかせかと歩く父親。


「もう少しゆっくり歩いて!」


と言いたかったが、父親の威圧感で言葉が出なかった。


せめて、手を繋いでくれればはぐれずに済むのに……


小さな満は甘えたい気持ちをごくんと飲み込んだ。