ご主人様はイケメン三兄弟!?

満はしばらく黙っていたが、


重い口を開いた。


「ビジネスでお話をするなら、答えはノーです。
金剛持家が、金梨家に投資したお金は一億です。」


「一億……」


家族全員が息を飲んだ。


「しかし……」


満は大きく息を吸った後、言葉を続けた。



「父と皐月さんのお父さんは同級生だったということもあり、今回周りが反対する中、投資が決まりました。

絶望的だと言われた御社の事業が上向きになってきたという情報も耳にしています。

それに何より、皐月さんは我々が想像していた以上によく働いてくれました。


人質のような形で皐月さんをいただいたのですが、事業も安定し出したことですし、我々も手放す時期に来たのかもしれません。」



お母さんと兄弟達は歓声を上げた。


満は隣にいるあたしを見つめながら言った。


「いなくなるのは、寂しいですが、

今日皐月さんと、家族との繋がりを目の当たりにし、皐月さんの幸せを考えるなら、



それが一番なのかもしれません。」



満は悲しく微笑んだ。