「あっそうだった。
えと、この人は……」
「金剛持満と申します。初めまして。」
満が深々と頭を下げた。
いつもの満の雰囲気ではなかった。
よそ行きの凛々しい顔。
「金剛持って……
あの金剛持財閥の!!????」
お母さんが一瞬、ふらっと倒れた。
―――――…
家に入ると、満は不思議そうに家の中を見渡した。
「何もなくて申し訳ありません。
もうっ!来るなら言ってくれればいいのに!」
お茶を出しながら、お母さんはあたしを睨み付けた。
「だって今日、突然来ることになったんだもん。
あれ?お父さんは?」
「お父さんは仕事よ。皐月が頑張ってるんだから、俺も頑張らなくちゃって、今まで以上に頑張って仕事してるのよ。」
「そう…なんだ。」



