「着いた!!!!」


勢いよく車から出ると、


見慣れた光景が目に飛び込んできた。


おんぼろ小屋のように、継ぎはぎがしてあって、


一見すると、使われなくなった物置小屋のような


木造日本家屋。


懐かしくて涙が出そうだった。



「おい……ここって……」


「うんっ!あたしの家!!!」


「お前、どう考えても、デートにふさわしくないだろっ!!!」


「だって、どこで……」


「皐月姉ちゃんだっ!!!!!」


どこでもいいって言ったじゃんと言いかけた所で、聞きなれた声に遮られた。


「八郎!!!!」


4歳になったばかりの八郎があたし達を指差していた。