「一箇所だけ、ずっと行きたかった所があるの。
いい??」


もじもじしながら上目使いで聞くと、


満はちょっと照れくさそうに、


「どこにでも連れてってやるよ。」

と言った。



あたしは急にテンションが上って、浮かれていた。


運転手さんに道案内しながら、鼻歌交じりに外を眺めていた。


「行きたいとこってどこなんだよ。」


「秘密!」


満は少し不満そうだったが、浮かれているあたしを見て微笑んだ。