「僕、いいことしてあげよっか?」


瞬君は意地悪そうに微笑んだ。


なんか、嫌な予感がする。


「い、いいよっ!!
別にギクシャクなんかしてないし……」



「ふふ、いいんだよ、遠慮しなくても。」



「だから、遠慮なんてしてないって。

それより、湯冷めしちゃうから、早く部屋に戻った方がいいよ。」


瞬君は、つまんない、という顔をして、


「はぁ~い。」と言って部屋に戻っていった。



瞬君が部屋に入りかけた時、あっ!と思い出し、



「もう皆お風呂入った?」


と聞いた。


メイドは、当たり前のことだが、ご主人様が入った後、お風呂に入ることになっている。




「…………うん。優貴兄も満兄も先に入ってたよ。」



「そう、ありがとう。おやすみなさい。」



「おやすみ。」


瞬君は極上の笑顔でおやすみの挨拶をした。


なんだこの色気は。中学生か。


一瞬ドキっとしてしまった。