父は、環さんの母を愛していたが、それと同等に咲希と冬真を愛していた。

だから、娘が一緒に来ないと言って、激しく動揺した。

「行かない。私はお母さんと一緒にいる。
…お父さんは…ひどいよ。
…ねえ、シン兄もお母さんと一緒にいるよね。」

でも…冬真は咲希の問い掛けに首を振らなかった。