FAKE‐LAKE

「まぁ、坊ちゃんの暮らしに比べたらここも都会かもしれないけどな」

アンジェの家を思い出し、ニールは腕組みした。

生活に必要な水は雨水を利用し、飲料水はどこかの涌き水を必要な分だけ汲んできてると、いつだったか聞いた。

さすがに水道はあるもんな。うん、この街は都会だ。

ニールが一人でぶつぶつ言っていると、お兄ちゃん独り言多過ぎ、とカーテンの向こうからケラケラ笑われた。

いつもの事だ。妹たちの笑いを意に介すことなく、ニールは床にころんと横になった。

そういえばまた、アンジェとあまり関わるなって親方が言ってたけど、何かあったのかな。出来ればおれはアンジェと友達になりたいんだけど。

『……仕方ないんだ。依頼主からの指示だからね』

アルクの申し訳なさそうな表情を思い出す。

『彼のためにもお前のためにも、仕事の関係以上親しくならない方が良い』

それが分からない。どうして?

ニールの眉間にきゅっとシワが寄る。