FAKE‐LAKE

新たなデータを取るためレイを診察台に寝かせて機械に繋いでいる博士はこちらに背を向けている。

時計は丁度四時一〇分。

今だ。

セティは布を麻酔薬で濡らし、博士に近づいた。

レイが大人しく従うため、順調に進む作業に気を取られている博士は足音に全く気付かない。

背後から素早く博士の口に布を押し当て、羽交い締めにする。

不意を突かれた博士は思い切り麻酔を吸い込んだ。

「――――!」

博士はもがきながら何か言っているがセティは少しも力を緩めない。

「悪く思わないで下さい。これも私の仕事なので」