FAKE‐LAKE

セティはアツキをじっと見た。基地に行ってきたのか。

思い立ったら即行動に出る奴だと思っていたけれど、こんなに早いとは思わなかった。

「俺、セティに協力する。絶対あいつを助ける。だから教えてくれよ、いつ盗みだせばいいのか」

「いいのか、アツキ」

思わず尋ねたセティに、アツキは目を伏せて悔しそうに呟いた。

「あいつ……殺されかけてた。兄貴が殺されたあの場所で」

拳を強くにぎりしめるアツキの目に涙が浮かんでいる。

「あいつを兄貴の二の舞にさせたくない。絶対、絶対、絶対助けたいんだ」

だから、とアツキはセティに力強く言った。

「セティに協力する。これが本当に最後の仕事だ。絶対に成功させる」

セティはほっとしたように息をついた。これで二人を助けられる。

後はぎりぎりまでどちらにもばれないようにする事。意地でも上手く立ち回ってみせる。

「ありがとう」

何度も感謝するセティにアツキは言った。

「あと、アンジェって奴に伝言頼まれてきた」

「分かった。紙に書いてくれ、薬と一緒に配達屋に頼むから」

言われた通り、アツキはレイの言葉を文字に変えた。

『僕の兄に……家族になってくれてありがとう』