FAKE‐LAKE

「お兄ちゃんすごい! 手品やさん?」

「うん、手品やさんみたいなもの」

アルは彼女の頬の涙を手の平で軽く拭いた。

「さ、笑顔になった所でお父さん達探そうか」

うん、と女の子は頷いた。アルは軽々と彼女を抱き上げて肩車する。

「すごーい! よく見えるよお兄ちゃん」

「そう?」

アルは案内所に向かった。迷子放送をしてもらうのが一番早いだろう。

「名前は?」

「アンジェラ」

「アンジェラ。可愛い名前だね」

アンジェラはアルの顔を覗きこんで聞いた。

「お兄ちゃんは?」

「アル。道化師(ピエロ)のアル」

「ピエロ?」

やった、とアンジェラは嬉しそうに笑う。

「明日、ユリアに自慢しちゃお。あたし本物のピエロさんに会っちゃった、って」