FAKE‐LAKE

「迷子になっちゃった?」

ぽん、と頭を撫でた途端わんわん泣き出した彼女に、アルはポケットから銀色のボールを取り出してみせた。

「これ見て」

ひく、としゃくりながら女の子はアルの指に挟まれた銀色のボールを見る。

「いい? 行くよ、右、左、右、左」

ふわりと空間に浮かんだボールが向かいあったアルの手の平の間を移動する。

女の子は驚いてぱちぱちと瞬きをした。涙が光りながら頬を転がり落ちる。

数回往復させた後、ぱん! とボールを両手で挟んで、アルは女の子に笑いかけた。

「行くよ? せーの、」

ぱっと手を左右に開く。

「夜空!」

アルの手から銀色の粉がキラキラと光りながら落ちていく。彼の黒いセーターが光る銀粉を夜空に輝く星に見せていた。

「すっごーい!!」

女の子はすっかり笑顔になっていた。夢中で拍手し、アルに尋ねる。