FAKE‐LAKE

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 その日の夜の事だ。
「あ、あんたは」
 シアナが決意を実行すべくF基地に向かっている途中、案内人の男に呼び止められた。
「どうしたんだよ、最近顔見ないから心配してたんだぞ」
 人懐こく声をかける背が小さいこの男は軍人ではない。雇われて案内人をしているだけだ。だからシアナに何があったのかを知らない。
「いろいろあってな。クビになった」
「じゃなんで基地に?」
 シアナは軽く笑い、簡単に答える。
「忘れ物を取りに行くだけだ」
 男は疑問を感じながらも相槌を打ち、自分の話を始めた。
「おれはさ、明日また案内人してくれって呼ばれたんだ」
 さっとシアナの表情が硬くなる。どうして今更アンジェの所に?
「何でも、あそこの坊ちゃんをみせしめにするんだって。怖いよな、上の人が考える事って」
 ぶるぶると怖がるそぶりをしながら男は続ける。