「……お前」
「ほう、覚えているのか私を」
博士は手をのばし、怯えているレイの頬に優しげに触れた。
「探したんだぞ。お前が無事か心配で」
「嘘言うな!」
レイは逃げようと必死でもがいた。嫌だ。捕まりたくない。もう二度とこの男の顔を見たくないのに。
す、と博士は小さな袋をレイの目の前に差し出した。見覚えのある、小さな紙袋。
「これが欲しいんだろ? 大切な“お兄さん”のために」
アンジェの薬。レイの目の色が変わる。
「よこせよ! 早くアンジェに飲ませないと死んじゃう」
「お前次第だ」
月明かりに照らされた博士の不気味な笑みに、レイは思わず身震いした。
「お前が基地に戻るならアンジェに薬をやろう」
「嫌だ! 基地に戻ったらまた飼い犬みたいに鎖に繋いで、変な薬飲ませて、体ばらばらになるまで実験して使えなくなったら殺すんだろ?」
叫ぶレイに博士は冷たい口調で答える。
「だからどうだと言うんだ? それが道具の役目だろう?」
駄目だ、この男は何を言ってもわかってくれない。
もがき続けるレイを見て博士は薄く笑った。
「随分口が達者になったようだな。最低限の言葉しか教えなかったのに、誰に教わったんだ」
そのわざとらしい問いに、レイはアンジェの事を思い出す。
「早く、薬をよこせよ! アンジェが死んじゃう!」
「お前の身柄と引き換えだ」
「そんな」
レイのあごを軽く持ち上げ、博士は小声で脅す。
「いいのか? お前のせいでアンジェが死んでも」
その言葉を聞いて凍り付いたレイの表情を満足気に眺め、博士は楽しそうに笑った。
「どうする、レイ? アンジェを助けられるのはお前だけだ」
「ほう、覚えているのか私を」
博士は手をのばし、怯えているレイの頬に優しげに触れた。
「探したんだぞ。お前が無事か心配で」
「嘘言うな!」
レイは逃げようと必死でもがいた。嫌だ。捕まりたくない。もう二度とこの男の顔を見たくないのに。
す、と博士は小さな袋をレイの目の前に差し出した。見覚えのある、小さな紙袋。
「これが欲しいんだろ? 大切な“お兄さん”のために」
アンジェの薬。レイの目の色が変わる。
「よこせよ! 早くアンジェに飲ませないと死んじゃう」
「お前次第だ」
月明かりに照らされた博士の不気味な笑みに、レイは思わず身震いした。
「お前が基地に戻るならアンジェに薬をやろう」
「嫌だ! 基地に戻ったらまた飼い犬みたいに鎖に繋いで、変な薬飲ませて、体ばらばらになるまで実験して使えなくなったら殺すんだろ?」
叫ぶレイに博士は冷たい口調で答える。
「だからどうだと言うんだ? それが道具の役目だろう?」
駄目だ、この男は何を言ってもわかってくれない。
もがき続けるレイを見て博士は薄く笑った。
「随分口が達者になったようだな。最低限の言葉しか教えなかったのに、誰に教わったんだ」
そのわざとらしい問いに、レイはアンジェの事を思い出す。
「早く、薬をよこせよ! アンジェが死んじゃう!」
「お前の身柄と引き換えだ」
「そんな」
レイのあごを軽く持ち上げ、博士は小声で脅す。
「いいのか? お前のせいでアンジェが死んでも」
その言葉を聞いて凍り付いたレイの表情を満足気に眺め、博士は楽しそうに笑った。
「どうする、レイ? アンジェを助けられるのはお前だけだ」



