FAKE‐LAKE

ニールが帰った後、アンジェはベッドに横になったまま屋根裏に向かって話し掛けた。

「レイ」

微かな物音もしない。反応もない。

「起きてる?」

しんとしている。レイは眠っているのかもしれない。

アンジェはゆっくり起き上がった。まだ少し、胸が苦しい。

「レイ」

屋根裏部屋にあがる。

レイは深く頭を垂れ、部屋の隅にうずくまっていた。膝を抱えた姿がいつもより小さく見える。

「来ないで」

顔を上げずにレイは言う。突き放すようなきつい口調。

アンジェはその言葉を無視してレイに近づいた。

「来ないでったら」

「どうして」

二度の忠告を無視して立ち止まろうとしないアンジェに、レイは弾かれたように顔を上げて叫ぶ。

「アンジェを殺したくないから!」