その単純で自己満な思考回路はいったい何を使えば、キレイに焼き斬れるのか?
いっそのこと、脳味噌に一発、その口に銃口を押し込んで最期のセリフなど云わせてなるものか。
………………。
サイレンサー付きの銃は
「パシュッ……」
と云う音と手応えだけを残して、その人の背後の、先程までは真っ白にオレンジ色の照明が影を落とすだけのキャンバスに真っ赫な芸術品を描き足した。
「……なんだ、やれば出来るじゃないか」
私はその美しい赫に賞賛の声を与えた。先程までのくだらないやり取りに比べたら、余程この芸術の方が心に届くと感じたからだ。
そして、
到底云うハズもないだろうと思っていたコトバを吐いた。
「アリガトウ」


