その人の隣で眠るイミも朝を一緒に迎えるイミも見出せない私はホテルを出ることにした。
「何故?」
と云ったその人は
「朝まで一緒に居てあげるよ」
と付け加えた。
素直に「一緒にいるイミはない」と返したかったが、そのコトにもイミはない気がして「明日は朝が早い」と誤魔化した。
「残念だな」
たいして残念そうでもない顔と声でその人は云った。
それなのに、
「また淋しくなったら電話して」
と名刺を差し出された。
…………反吐が出そうだった。
また……
淋しくなったら……
だと…………。
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