「園田くん…だっけ。」

必死に話題を探していた俺より先に、岩城さんが口を開く。

「いつから、付き合ってるの?」

その目は、俺を離さない。

「えっと、まだ一ヶ月位ですかね。全国大会の後からです。」

先に視線を逸らしてしまった。

「全国大会の、後から…。」

フッと鼻で笑ってみせた。

何だ?

バカにしたようなその笑い方!

「万桜、学校で楽しくやってるみたいだね。」

なんだよ、万桜の事何でも知ってます、って口振り。

イライラしてきた。

「……。」

「モテるだろ、万桜。」

「まぁそうですね。」

どうでもよく答えたが、色んなヤツの顔が浮んだ。

旬磨、長浜、いつも『万桜ちゃん万桜ちゃん』とうるさい元(はじめ)。

そして三浦先輩。

前の学校でも、万桜は人気あったんだ。

聞かなくても、すぐに分かった。