それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~

なぜか緊張している俺。

まぁ、万桜の『元彼』に会うんだから。

午前中の練習で疲れているはずなのに、テンションは上昇気味。

どんな風に話したらいい?

ど~も万桜の彼氏です、とか軽い感じか?

いや、違う…かな?

「ヒロ…先輩?」

不思議顔で俺を見つめる。

やばっ、自分の世界に入り込んでた。

「どした?」

冷静に冷静に。

「今、意識どこかに行ってませんでした?」

…ばれてるし。

「あ、そうか?」

ははは、ととりあえず笑う。

俺の気持ちを察してか、万桜は繋いでいた手に力を入れた。

待ち合わせの場所は、もうすぐそこだ。