あれは…三年?

たしか…。

「おい!」

急に声を掛けられた。

見ると三年の野球部の先輩だ。

「ちわーっす。」

三年生がいないサッカー部だったが、他の部の先輩方は色々親切にしてくれていた。

同じくグランドを使う野球部は特に。

「お前んトコのマネージャーの周り、最近三浦がチョロチョロしてるぞ。」

「え?」

初耳だ。

万桜はそんな事、何も言ってなかった。

そうだ、たしか三浦。

余り俺の事を良く思っていない。

部活中に野次を飛ばしに来たり、すれ違いざま舌打ちをされる事が何度かあった。

「気イつけてやれよ。」

俺達が付き合っているのを知ってか、先輩はそう言って食堂から出た。