「ごめんな。」 その言葉に静佳は驚いているようだった。 ヒドイ事言って、ごめんな。 俺が万桜を好きなように、俺の事を好きだって言ってくれた女達。 もしも『アタシヒロ先輩なんか好きじゃないです。迷惑です。』なんて万桜に言われたら…。 頭に浮かぶのは『絶望』の文字だろう。 もっと違う言い方もあったはずだ。 今はただ、後悔に襲われる。 バタンとドアが閉まる音がした。 静佳は何も言わずに車に乗り込み、そして去って行った。