「コンビニ行こうか。」
「……。」
頷いた。
「あのさ…。」
ヒロ先輩は話し始めた。
「一年の時、付き合ってた人なんだ。」
旬磨先輩に聞いた。
「23歳で。」
それも聞いた。
「クラスの美華って子の姉さんで。」
それも、聞いたよ。
「最近、電話がきてて。」
知ってる。
「どうしてかは分からない。さっきの感じなら、俺の彼女…万桜に…その。」
声が聞こえなくなった。
分からない。
分からないよ。
その人どうして、学校まで来たの?
わざわざヒロ先輩が付き合ってる人を見に来たの?
アタシは…潤くんに彼女が出来てもそんな事しないよ。
別に会いたいなんて思わないよ。
気になる?
気になるから?
あの人、まだヒロ先輩の事気にしてる!
「…お。万桜。」
ヒロ先輩はアタシの顔を覗き込む。
アタシはやっと先輩の顔を見た。
「嫌な思いさせてごめんな。でも、もう関係ないんだ。俺の中は万桜だけだから、心配するな。」

