どうしようか…。

迷いも出ていた。

この状況でヒロ先輩に『お話しが…』と言うのも……。

電話でだったら本気にしてもらえないかな?

やっぱり、直接先輩の目を見つめて言いたい。

♪~♪~♪~♪

着メロが鳴った。

「俺だぁ。」

ヒロ先輩は携帯を取り出した。

「もしもーし。」

そして面倒臭そうに話し始めた。

アタシは阪下万桜(さかしたまお)。

一年生でサッカー部のマネージャー。

岡山県の東(ひがし)高校から、この東京の聖茄(せいか)学園に転入した。

いつもアタシの背中を押してくれたのは、ヒロ先輩だった。

優しく厳しく、そして暖かく。

アタシは全身で感じていたよ。