「やったね!」

少しだけ冷静さを取り戻したような亜子は、ベッドに座ったが、まだ足を大きくぶらぶらさせている。

「…うん、すごく緊張した。」

亜子の隣りに座った。

「ヒロ先輩、なんて言ってくれたの?」

「えっ…!」

『俺だけのものな』って言われたなんて、恥かしくていくら亜子にでも言えないよ。

「んー。秘密!」

「あーズルイ~。」

嬉しそうな顔。

祝福してくれている。

本当に、本当に心から。

亜子の表情で、それが良く分かった。

亜子と友達になれて良かった。

アタシの無神経さで傷付けたけど、亜子は正直な気持ちをぶつけてきてくれた。

大事な、大事な友達。

「ありがとう。」

「ふふっ、どうして私にお礼言うの?なんにもしてないよ~。」

「ううん、亜子がいてくれたから、だよ。」

ちょっと首をかしげ、不思議そうにアタシを見た。

「んーじゃあ、どういたしまして!」

そして二人で笑った。

「私も頑張ろう!万桜に負けないように!」

そうガッツポーズをして、立ち上がった。

「そうだよ!」

アタシも立ち上がった。

亜子も幸せになれるといいな。

好きな人と一緒に笑って泣いて。

そう願わずにはいられなかった。