早々と夕食を済ませて、携帯とにらめっこ。
…好きって言っちゃった。
そしてヒロ先輩も…。
嘘じゃないよね。
夢じゃないよね。
自然と顔がニンヤリするのが分かった。
「うふふ。」
やだ、変な声で笑っちゃった。
「!!」
響く着メロ。
「はい!!」
マッハのスピードでボタンを押した。
「出るの早いなぁ。もしかして、電話待ってた??」
さっき『電話する』って言ったのに。
そういうヒロ先輩が大好き。
「…待ってました。」
アタシ、素直に言えるよ。
「誕生日は…??」
「どんな音楽聞くの??」
お互い知らない事ばかりだった。
ゼロからのスタートでいい。
これからいっぱい、いっぱい知ればいい。
「…悪いな万桜。俺、旬磨のトコ行くから。」
「あ、アタシも亜子のトコ行かなくちゃ。」
「じゃあまた明日、な。」
ヒロ先輩の笑った顔が浮んだ。