それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~



~ヒロ~

は…??

今、何て言ったんだ万桜??

好き、だって言ったのか??

俺を好き…だって??

「ま、万桜、もう一回言ってくれる??」

なんて間抜けな質問なんだ。

「もう…言えません。アタシ、パワー使い果たしました…。」

つぶった目を開けようとしない。

本当に…??

答えは、万桜にあった。

決意したように、口を真一文字にし、袖からチラッと見えるその手は小刻みに震えていた。

その震えている手を掴んだ。

「ありがとう、万桜。」

言いたい事や聞きたい事がたくさんあった。

『俺でいいの??』『もうアイツの事は忘れた??』

でもいいや、聞かなくて。

今、目の前にいる小さく震える万桜。

その姿を見ただけで、痛いほど伝わってくるよ。

「今日から俺の彼女な。
俺だけの万桜だからな。」

やっと目を開けた万桜は、嬉しそうにそして恥かしそうに俺を見た。

そしてとびきりの笑顔を俺に見せた。