俺に集まっていた注目が、一年の久保という女子に注がれた。

「はぁ、なんで、ですか?」

目尻をキッとあげて、俺をにらむ。

「やる気、なさそうだし。サッカー部のマネージャーなのに、制服はないだろう。」

俺がいる時は、いつも制服だった。

「ちょ、どうして?いいじゃん制服だって!ねぇヒロ、何か言ってよ。」

その子は園田くんの腕をガッチリと掴み、上下に振る。

自分をかばってくれるように必死に。

「………。」

園田くんは伏せていた目を大きく開く。

「岩城コーチの言う通りだよ、梓。やる気がないなら、来て欲しくない。」

見事な程、キッパリてそう言った。

「ちょ、ヒロまでどうしたの!…いい。もういいよ!」

雰囲気に耐えられなくなったのか、その子はすごい勢いで行ってしまった。