~万桜~

先輩達が食堂から出て、アタシと亜子は空いている席を見つけ座る。

「だから、電話で呼び出しちゃったら??」

「…どこに??」

「えっと…。」

この冬に、公園とかキツいよね。

ヒロ先輩に告白する場所を二人で模索していた。

「んーと、じゃあ部室!!」

「それが一番無理!!」

部室に二人っきりなんて、お昼休みに呼び出すとかしないと…無理!!

っていうか、いつもキャプテンが鍵を開けるから、放課後までは開かずの間だ。

部室かぁ。

そういえばヒロ先輩に告白されたのは、その部室だった。

アタシが部室の掃除をしていて、高い窓を開けるのにてこずっていた時、長い手が伸びてきて窓を開けてくれた。

アタシびっくりして、イスから落ちちゃった。

「ここ、いい??」

男子の声がした。