それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~

少し汗ばむくらいの陽気に、早々と半袖シャツの生徒がいた。

大好きなグランドに向っているというのに、足が重い。

今までこんな気持ちあったかな?

理由は…分っていた。

久保梓。

彼女だ。

『妹みたいなモンだからさ』サラリとヒロ先輩は言い放った。

信じてる。

信じてるよ、ヒロ先輩の事。

でも…。

昨日も旬磨先輩に『彼女達にマネージャーになって欲しい』みたいに宣言したけど、心の中は違っていた。

「はぁ~。」

ため息と共に肩の力も抜けた。

「阪下さん!」

アタシを呼ぶ女の子の声。

振り返ると、彼女がいた。

『久保梓』がアタシを見下すようにそこにいた。