それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~



なぜ万桜がそこまで彼女達にこだわるのか。

俺は少しイラついた。

「いいだろう、そこまでこだわらなくても!」

思わず口調がきつくなった。

万桜は天を仰ぐ。

俺の一言で、明日からまた前のようなサッカー部に戻るだろ?

「……今はいいんです。」

休憩時間なのに、何人かのメンバーはボールを追いかけている。

「今はアタシがいてみんながたくさん協力してくれているから、大丈夫だと思うんです。」

「?」

「でもこの先、マネージャーが入ってこなかったら…また前のようにみんなに負担が大きくなってしまうんです。」

細い声だった。

そんな先の事まで万桜は考えていたのか。

俺なんて、毎日がイッパイイッパイで来年や卒業後の事なんて考えてはいなかった。

「だから、各学年に一人でもマネージャーがいてくれたら…。」

ずっと遠くでヒロが俺達を見ている。

あの子がその隣りで、一生懸命何か話していた。