春休みに突入しても、アタシ達は毎日サッカー三昧だった。

聖茄(せいか)学園の合格発表も終り、サッカー部への新入予定生の見学や仮入部の生徒が毎日のようにある。

「これは期待大きいな。」

福山コーチ同様、キャプテンの旬磨先輩も嬉しそう。

「やっぱ全国大会出場が効いてるんだろ。」

みんな、まだあどけない中学生の顔を見ながらニヤニヤしていた。

「うっかりしてたら、レギュラー取られちゃうかもな。」

ふざけたように言うヒロ先輩。

ホントそうだよ!

コーチによれば、かなりのサッカー有力校からくる生徒もいた。

ボールさばきも、なかなか。

まだ体は小さいが、それはどうにでもなる。

小さなライバル達の出現にアタシはワクワクする。