ネクタイを外して渡しているその人達を指差す。
「あ~あれ。」
身を乗り出した先輩は、また座り直した。
「卒業式の恒例行事。好きな相手にネクタイもらうの。」
サラッと言う。
「恋人同士なら確実にゲット!告白してOKなら…ゲットだけど、NGなら涙なワケだ。」
へぇ、なるほど。
「学生服の第二ボタン、みたいな感じですか?」
「ああ?そうじゃないか。」
それなら納得。
「帰るぞ~。」
やっとヒロ先輩が来た。
卒業生はまだ残っていたが、在校生はぽつぽつ帰り始めていた。
アタシ達は立ち上がる。
「さかしたまおちゃん!」
もう少しで校門、という所でアタシを呼ぶ声がした。
この声は――。
三浦先輩が微笑んでいた。

