「な、なんだよ!」

俺の目に映ったのは、なんて事だ…。

『さかしたまお』だった。

「あ、あの三浦先輩…。」

思ってもいない、この子の登場でかなり動揺してしまった。

でも彼女も同じように居心地悪そうに、体をしきりに動かす。

そりゃあそうだろう。

廊下にいるヤツが、みんな見ていた。

何事かと、興味津津の目で。

よく来たもんだ、と俺も誉めてやりたいよ。

一年が三年の教室まで来るなんて、それだけで表彰モンだよ。

俺だって、そんな勇気持ってねぇよ。

「とりあえず、あっち行こう。」

彼女をこれ以上、好奇の目にさらすのは忍びなかった。

彼女を促し、足早に階段の踊り場へ向った。