午後の授業はいつも眠くなる。

今日も陽気がいいので、ヤバイかも。

さっきのヒロ先輩を思い出しながら、アタシはぼんやりしていた。

「阪下~。」

クラスの男子が近付いて来た。

「なあに?」

「呼んでるよ。」

彼の指差す先には、さっきまで一緒だった元先輩が立っていた。

「元先輩?」

駆け寄る。

「万桜ちゃん、あの…。」

落ち着かない様子の元先輩は、鼻や頭を触り続ける。

どうしたのかな?

そわそわしてる。

「あの…。」

そして思い切ったように顔を上げ、まっすぐにアタシを見た。

「ヒロが…ヤバイかも。先輩達と屋上に行ったよ!」