万桜の教室の前で別れる。

俺と元は昨日、掃除当番をサボったので担任にプリント用紙配布の指令がくだっていたので、職員室へ向う。

万桜はあれから、ご機嫌だった。

でも、ちゃんと話さないとならないと思った。

三浦先輩の気持ちは分らないが。

本気なのか、万桜を通して俺に当てつけているだけなのか?

「さっきヒロ、マジ格好良かったけど、…マズくない?」

ポケットに手を突っ込んだまま元は呟く。

「何ともないよ。気にすんな。俺が上手くやるから。」

俺も気になっていた。

これで済むはずはない、と。



見事なまでに、その予感は的中した。

山程プリントを抱えた俺達の前に、会いたくない人達が……待ち構えていた。