よっぽど弱ってたんだな。 そう思った。 普段はバカばっかり云って、呆れさせることしかしないナオヤをこの時は凄く、本当は強い奴だったんだって思った。 だから、少しだけ優しい気持ちになれたんだと思う。 「……さすがに胸は貸せねぇから背中……貸してやる。泣いてもいいぞ」 「だ…から、泣……いて…ない……って…ば……」 鼻ぐずぐず云わせて、何云ってんだか……。 いちを男のプライドってもんでもあんだろか? 仕方ねぇなぁー。