「お母さん!」 あたしはもう一度呼んだ。 今度は目が… 目が開いた。 「お母さん!」 「…美、羽…」 「お母さん!」 あたしは横になっているお母さんに抱きつく。 「ご、免…ね……海…い、け…なく、て。」 「いいよ!そんな事より!」 「こ…ん、ど…行こ、う…ね。」 あたしは頷いた。 お母さんは目を閉じた。 あたしは待った。 お母さんかもう一度起き上がるのを。 だけど… もう目さえ開けてくれる事はなかった。