2LDKのお姫様


「あそこのカフェにいるシオリ先生みたいな髪型にしてください!」



人生、生きていれば色んなヒトに出会うモノだ。



目付きが悪い少年や、大食らいの少女にだって出会う。



しかし……



このヒトには出来れば違う形で出会いたかった、という事は非情に多い。



『何その髪型……』



「日本人形を意識してみました」



本当にそう思うのだ。



『だから……シグマは公式じゃなくて、和の事なのよ』



私には二人の
ルームメートがいる。



そのうちの一人は、私が家庭教師をしている生徒で、



レベルの高いお嬢様学校で成績最下位を爆走している娘なのだ。



なのに志望大学は『東大』。



しかも理科三類。



この前の模試ではびっしり最下位のE判定をもらって来ていた。



『あのね、理系なら数列くらい簡単に解らないと駄目なのよ』



「いや。勉強全然解らないのだけが取り得なんです」