落下点《短編》


扉の向こうから、冬の冷たい空気が入り込む。

とめどなく入ってくる新しいそれも、濁りきったこの部屋の空気を連れ去ることはない。


感情が全部、ぼんやりとしか浮かばない。もやがかかったような心の中。
久しぶりにあたしに触れた陣ちゃんの手は、あたしの心を殺していった。




寒い日だった。



とてもとても、寒い日だった。


















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