深夜ともなれば街外れには人通りがすっかり無くなって、雪も本格的に地面に向かって浮遊を始めている。



そんな中、薄暗い電灯が点滅しているその下を一人の青年が白衣のポケットに手を突っ込んだまま歩いていた。



それは先程小屋の様な研究所から飛び出した青年であったが、その顔にはもう希望に溢れた輝きが無い。



やつれた顔が一層強く見えるように、暗くなった表情が浮かぶだけ。




青年は重みがかった白い息を長く吐き出した。



もやもやと一瞬漂って、そして雪に紛れた。




青年は頭からつま先までに被った雪を払おうともせずにとぼとぼと歩く。




そしてふと、思い出した。
















































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「僕はついに完成させました!最高傑作を!」



目の前の高貴な人物他、その周りもしんと静まり返っている。そして冷たい視線が青年に集中していた。




高そうなイスに腰掛けるその人物はだるそうに右手を横に振った。


隣に居た側近が、その斜め前にあるマネキンのような物体から布を外してみせた。



そこには真紅の少女。


「え・・・・・・。」




それだけしか言えなかった。


青年は何度も殴られながら外に追い出された。




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