「でも、今戸籍上"夕"なのは間違いなく貴方。そしてセキ、あんたが今戸籍上の霧島勇治なのよね?」



朱美ちゃんは今までにないくらい瞳から強く、鋭く光を放った。



「貴方達は戸籍を入れ換えたのはおそらく五年前。…国見夕の母親麻由子死んでから。当たってるかしら?」



朱美ちゃんの言葉の一つ一つは、私にとって驚愕でしかない。



驚愕だけど、利に適った推理。



「正確に言うと、セキは勇治と供託して殺したんだ。自分の母親を。」



ぞっとするような事実。



「否定は、出来ない。」



社長は、朱美ちゃんに静かに言葉を返した。