恋のエンドロールでキスをして【小説版】

「あ、柊さん。ここで大丈夫です。もうアパート目の前なので」

「りょーかい。ちなみに僕はそこの白のアパートだから」

視線を辿れば、私のアパートから200メートルほどの距離だ。

「近いですね」

「だね、ご近所としても宜しく〜」

「はい。今日は送ってくださり、ありがとうございました」

ペコリと頭を下げると、彼がまたクスクス笑う。

「てかずっと思ってたんだけど、海莉でいいよ。柊さんってなんか痒くない?」

「へ?」

彼の言っている意味がよくわからず、間の抜けた返事になってしまった。

「あはは、花ちゃんってなんかウサギみたいだね」

「う、うさぎ? 前歯出てます?」

柊さんが深夜のため、口元を押さえながらプルプル肩を震わせて笑っている。

「柊さん、笑すぎです」

「ごめんごめん。あと海莉、ね」

「いや、ちょっとそれは……」

「もうREIの仲間じゃん。はい呼んでみて〜」

「えっと……じゃあ、海莉先輩」

迷った末、そう呼べば彼が無邪気に笑う。

天然人たらしとはこういう人を言うのだと思う。


「よくできました~。じゃあおやすみ」

「おやすみなさい」

手をぶんぶん振る海莉先輩に手を振りかえすと、自宅へと帰った。