恋のエンドロールでキスをして【小説版】

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柊さんと駅の方に向かって大通りを歩いているのだが、隣に男性というのがなんとなく落ちつかない。

そもそも恋愛経験なんて、怜との数ヶ月の交際しかしたことないのだ。
特別な思いがなくても、夜道を男性と二人きりは心臓がソワソワしてしまう。

「今日は疲れたんじゃない?」

「いえ、私こそ入部させて頂いた上に歓迎会まで開いてもらって、ありがとうございました」

「全然っ、脚本書いてくれる子探してたからこちらこそ嬉しいよ」

柊さんは前方から自転車が来たのを見て、当たり前のように私を右に寄せる。

「あの、ありがとうございます」

彼はにこりと目を細めると視線を前に戻す。
私は、そのまま柊さんの横顔に向かって口を開いた。

「……ひとつ聞いてもいいですか?」

「いいよ、どうしたの?」

「今更なんですけど……脚本、本当に私でいいのかなって。れ、じゃなくて夏宮さんずっと不機嫌だったし」

彼が、ぷっと笑う。

「ねぇ、違ったらごめんだけど怜と付き合ってたの?」

「え……っ、あの……」

さらりと言われた言葉に一瞬固まってしまう。

「花ちゃんってわかりやすいね」 

「い、え……その」

「いや実はさ、視聴覚室のとこで二人の会話聞いちゃって。なんか雰囲気で勘づいちゃった」

「そう、だったんですね」

どこから聞かれていたのか分からないが、私は肩をすくめて肯定する。

「中学の時……少しの間ですけど」

柊さんが、そっかと軽く頷く。