恋のエンドロールでキスをして【小説版】

「海莉、有瀬さん、俺《《たち》》もこれで」

「今日はありがとうございました」

そう答えてから、『俺《《たち》》』の言葉に引っかかる。

自転車を取りに行っていた笑里ちゃんが戻ってくると、仙道さんの隣にちょこんと並んだ。

「花ちゃんまたね~」

「あ、うん、またね笑里ちゃん」

仙道さんが笑里ちゃんの掴んでいた自転車のハンドルを片手で交代すると、彼の腕を笑里ちゃんが掴み、二人は並んで歩き出す。

(あれ……)

目を丸くしていた私に気づいた柊さんが、クスッと笑った。

「ああ、二人同棲中だから」

「えぇっ!」

「元々幼なじみなのと、両方の親公認らしくて、今春から一緒に住み始めたみたいだよ」

「そ、そうなんですね、お似合いですね」

驚きつつも、少し前を並んであるく仙道さんと笑里ちゃんはとてもお似合いだ。

何より、笑里ちゃんを見つめる仙道さんの表情がとても柔らかい。

(いいなぁ……好きな人と一緒に暮らせるなんて……)

これから怜以外の人を好きになることなんてあるのだろうか。
少なくとも、怜と同じサークルに入った以上、顔を合わせることは多くなる。
この気持ちをなくすのは、もはや在学中は不可能な気がして、今から落ち込みそうだ。

報われない恋をしたって辛いだけなのに。

「じゃあ僕らも帰りますか」

「あ……はい」

私は無理やり口角を上げる。

歩き出す前に振り返ると、怜の姿はもうなかった。